汗から知る体からのSOS
最近、ケトン体という言葉を最近は耳にすることがあるのではないでしょうか?
ケトン体はあまり良い印象を受けないイメージですが実はそうでもありません。
そもそもケトン体とは・・?
私たちの体のエネルギー源は糖の分解によりエネルギーを得ていますが、就寝時や空腹時など糖が身体内に不足している場合は脂肪など糖の代わりになるものから糖に変換してケトン体というエネルギー源を作り出します。
ケトン体は血液によって骨格筋や心筋に運ばれて、代謝材料となり利用されます。
ケトン体は酸性物質のため、体の電解質バランスを酸性に傾けます。糖尿病患者の場合は、インスリン不足によりケトン体からエネルギーを確保することがありますが、その状態が強くなりすぎて、代謝能力を超えるほど発生すると電解質バランスが酸性に傾きすぎ、意識レベルの低下、嘔吐など糖尿病ケトアシドーシスを引き起こします。
上記で説明したように、エネルギー確保のために、糖とケトン体を使用するため、健常な方でもケトン体は身体で発生しています。
しかし、インスリン分泌が十分か不十分かで変わってきます。そのため、糖尿病患者にケトン体が発生しやすいのです。
最近では、ケトン体ダイエットもよく聞きますよね。ケトン体ダイエットは高脂肪、低炭水化物の摂取を中心に行い、ケトン体による脂肪燃焼を行うダイエットです。普段何気なく生活している場合でも我々はエネルギー源を作り出さないといけません。
その際に糖によるエネルギー確保ではなく、脂肪を燃焼してエネルギーを作り出すため、脂肪の燃焼が期待できます。ある研究結果では、ケトン体ダイエットは10倍の効果で脂肪を燃焼するとの発表もありました。
ここで興味深いことが、臭いです。
運動後の汗の臭いと、じわじわかく汗の臭いは何か違うと感じたことはないでしょうか?
そもそも、我々は体内に熱がこもらないように汗をかいて対応しています。
汗が出る経路として、腕や足、脇下から出ることが多いですが、①エクリン腺②アポクリン腺という元栓から出ます。
汗は9割が水分でできているため、本来は無臭です。しかし、皮膚の表面の垢や脂肪、菌と混じり合うことで独特な臭いとなります。
汗の原料は血液から成り立っているため、汗を舐めると少し色々な味を感じることがあるのではないでしょうか。
先ほどケトン体のお話をしましたが、ケトン体は酸性のため、ダイエット中にケトン体が増えすぎ、血液中のケトン体が運動後に汗となって体外に出てくると、酸っぱい臭いがする場合もあります(ダイエット臭)。
また、糖尿病の方も同じことが言えます。汗をかいた際に酸っぱい臭いがしてくると、体内でケトン体が増えているサインかもしれません。
『最近臭いがきつくなってきた』など体からのサインに気づくことも大切と考えます。
糖尿病患者の便秘改善
糖尿病患者の症状に便秘も悩まれるものです。
糖尿病をお持ちでない方と比較して糖尿病患者は1.5倍の確率で便秘になりやすいと言われています。糖尿病の3大疾病の一つ神経障害があり、神経障害の影響で便秘になりやすいです。しかし、大きな原因となるのは、生活習慣による影響が大きいと考えられています。
血糖コントロールやダイエットを目的に食事を制限されますが、食事制限、糖質制限が便秘の原因になります。
食事を制限することで、食事量の減少に伴い、便のカサ増しが低下し、腸内の動きが低下します。糖質制限を行うことでも、食物繊維の摂取不足により便秘になりやすくなります。
そのため、食事制限をする場合は、カロリー制限を行い、なるべく食事量を減らさないようにする必要があります。
糖質制限を行うと、食物繊維の摂取が不足してしまいます。
よく、炭水化物抜き=糖質制限となっていますが、炭水化物は糖+食物繊維によりなりたっています。
そのため、糖質制限は食物繊維を抜いているということになります。
食物繊維は1日20gの摂取が推奨されていますが、食物繊維の摂取は相当の量を得る必要性があります。
レタスは1玉300g程度で食物繊維は1.1gほどしかありません。
人参も5本、生椎茸は30個ほど・・・・
手っ取り早く、摂取するには、らっきょと唐辛子が良いです。しかし、唐辛子は刺激性が強いため、食べ過ぎには注意が必要です。
また、主食の際はパンをお勧めします。お米より、パンの方が食物繊維が多く含まれています。ダイエットをされたい方は、主食を米にする方が良いですね。
便秘には自律神経の乱れが大きく関与しており、睡眠不足も大きな問題となります。
睡眠不足になることで、副交感神経の低下に伴い、腸内の動き(蠕動運動)が下がります。
また、寝不足になることで、便秘だけでなく血糖値も上昇しやすくなります。
やはり、生活習慣は様々な障害と連鎖していることがわかりますね。
便秘の治療として、薬剤(下剤)を使用されている方も多いのではないでしょうか?
下剤は緩下剤(酸化マグネシウム)と刺激性下剤など様々ありますが、大半がこの2種類ではないでしょうか。
緩下剤は血中のマグネシウムが上昇してしまうため、糖尿病患者の方は、腎機能に応じながら使用する必要性があるため、ドクターの指示をいただくことをお勧めします。
刺激性下剤は依存性と習慣性が非常に強いため、毎日服薬すると、身体が慣れてしまい、内服する量が増えてしまうが、なかなか便がでなく困ってしまうことが多く見受けられます。また、下痢になりやすくなり、精神的にも苦痛を伴うことがあります。
便秘になると腹部が張りがちですが、便秘じゃない、糖尿病患者の方にも腹部の張りは多くの方から聞かれることがあります。治療薬グルコシダーゼ阻害薬による影響で腹部が張ることがあるそうです。
生活習慣を見直すことで、血糖値だけでなく、便秘改善も図ることが出来ます。
知りたくなかった!!糖尿病と癌には密接な関係性が・・・
実は知りませんでした。糖尿病と癌との関係・・
最近、見た雑誌の中で面白い情報だったため、記載しようと思います。
昔まで、糖尿病患者の死因は血管障害によるものが多数を占めていましたが、
現在は死因第1位が癌となっており、4割をしめるほどです。
糖尿病と癌は生活習慣に大きく関係しているため、密接な関係があると言っても
不思議ではないのでしょう。
糖尿病を有する方は男女ともに20%も癌のリスクを上昇させるそうです。
では・・
なぜ糖尿病が癌の罹患リスクを高めてしまうのか?
そのメカニズムはまだ不明の様ですが、大凡のことはわかってきているそうです。
①インスリン抵抗性
②高インスリン血漿の関与が想定されています。
なかなか難しい内容になっていくのですが、インスリン抵抗性が高まってしまうと、高インスリン血漿になってしまい、アポトーシスという細胞死を抑制してしまいます。
そのことで、発がんリスクが進展するそうです。
または、高血糖ががん細胞の増殖や転移を促進。
アシドーシス状態になり、酸化ストレスが発生して、発がんの第1段階のDNA損傷を引き起こします。
色々と多くの文献で原因と関係性が発表されています。
また、糖尿病治療薬:インスリンとも癌の罹患リスクの関係性が
あると言われているそうですが、はっきりとした結論は出ていないそうです。
しかし、治療薬と関係性が高いと言っても
中止するリスクは計り知れないですね。
全員が癌になってしまうことはありません。
ただ、血糖コントロールの重要性を感じるためには
非常に大切な情報かも知れませんね。
参考文献:さかえ3 特集1『糖尿病とガンの危険な関係』正宗淳
糖尿病患者の心理行動
糖尿病治療において、インスリンなどの薬物療法、食事療法が主ですが、
患者の心理に応じた治療介入も大切なことです。
糖尿病と診断を受けた方は、
癌と診断された程の抑うつ度が高まると言われています。
1番は受動的ではなく、能動的な行動に導くことが大切です。
その中でもエンパワメント法というやり方があります。
エンパワメント法とは、自分自身で責任を取ることが出来る潜在能力を発見し、
発展させることと言われています。
簡単にまとめれば、自分自身で対処できる能力を導いてあげることが
大切ということですね。
しかし、
行動変化には5つのステージに別れると言われています。
①前熟考期・・行動変化を全く考えていない
②熟考期・・行動変化を理解しているが、行動変化はない
③準備期・・患者なりの考えがあり、少しづつ行動に移る
④行動期・・望ましい行動を半年続ける事が出来ている
⑤維持期・・半年以上望ましい行動が出来ている
糖尿病で悩まれる方が、どの段階のステージに
いるかを考えながら関わっていきます。
そのために、コーチングの技術も必要になると考えています。
コーチングの際には、ゼロポジションというものがあります。
ゼロポジションとは、、
先入観を持たない
自己解釈をしない
沈黙が続いても、自分から話さない
などと定義がいくつか持たれています。
どうしても、こちらが教えないといけない、伝えないといけないと思い、
強い先入観や肯定的考えを持ってしまう事が多いです。
質問の際にも、なぜ質問をし、どのような事が知りたいかを
感じる事が大切と思いっています。
次の記事では、どのような質問を行えば良いのかを載せていきます。
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シックデイと経口血糖降下薬 〜使用している内服薬を知るのもシックデイへの対応〜
前回、シックデイについて簡単に書きました。
ご自身で使用している薬の特徴を知っておくことも大切なシックデイ時の
対応になります。
⬇︎前回記事
血糖値を下げる経口薬も数種類存在します。
どんな際に血糖値が上がりやすいかをまとめるとわかりやすいと思います。
1インスリン抵抗性が増大
2インスリン分泌が低下
3インスリン作用不足での食後、空腹時の血糖値増大
これられに対して、
1インスリン抵抗性が増大には
・ビグアナイト薬
・チアゾリジン薬
2インスリン分泌が低下
・スルホニン尿素薬
・DPP4阻害薬
3インスリン作用不足での食後、空腹時の血糖値増大
・α–グルコシダーゼ薬
・SGLT2阻害薬
これらが基本的に占めております。
簡単にシックデイ時の注意をお伝えしようと思います。
①ビグアナイト薬
頻度はさほど多くないのですが、乳酸アシドーシスを引き起こしやすくなります。
シックデイ時に食欲低下を起こすことで、十分な食事が取れず、脱水にもなりやすいため、より乳酸アシドーシスを誘発しやすくなります。
高齢者になると、腎機能の低下も引き起こしやすくなるため、
慎重な投与が必要になります。
単独で飲まれていても、中止しなければいけないことがあります。
②チアゾリジン薬
末梢組織でインスリンの抵抗性を下げるように作用します。
副作用として、浮腫が懸念されています。心不全や心臓に問題がある方は、
慎重に投与が必要となります。また、骨の丈夫さにも影響を与えるため、女性は骨折にも注意が必要な内服薬になります。
③スルホニン尿素薬
膵臓からのインスリン分泌を促す経口薬になります。
作用は協力でシックデイ時の内服は低血糖を引き起こしやすくなります。
食事の内容によっては調整が必要になってきます。
④DPP4阻害薬
インクレチンというホルモンを増やすことで、インスリン分泌を促します。
血糖降下作用が強いですが、低血糖になりにくいことから、約7割の方が使用されている、一般的な内服薬になります。
しかし、上記のスルホニン尿素薬との併用での服薬は低血糖を助長させるため、
併用での内服は注意が必要です。
⑤α–スルコシダーゼ
小腸の粘膜に作用して糖質の消化、吸収に働きかけるため、食後の血糖値が上がりにくくなります。
しかし、腹部膨脹や便通に障害が起こりやすいです。シックデイ時も消化器の症状が現れやすくなります。
⑥SGLT2阻害薬
腎臓に働きかけることで、尿の排泄を促して、血糖値を下げる薬になります。
排尿作用があるため、心不全の方にも有効とされており、体重減少も期待されています。しかし、水分が失われていくため、脱水には注意が必要です。
簡単に経口薬の作用と副作用等を載せましたが、
シックデイ時には食事が食べれなくても
必ず、インスリンは少量でも注射することが必要です。
また、配合薬もあるため、今飲んでいてる薬はどのタイプかを
知っておくことも大事になりますね!!
『シックデイ』
シックデイは、糖尿病を持たれている方には
注意しておかないといけない症状ですよね!!
シックデイとは、糖尿病の特有合併症ではなく、
ストレスや感染症、何らかの原因で食事が獲れなくなり、
体調を崩してしまう状態のことを言います。
(ストレスとは、寝不足や精神的ストレスが主になってきます)
シックデイの対処法をシックデイルールと言います。
ストレスが体にかかり、シックデイになると
ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールは血糖値をあげてしまうホルモンのため、
高血糖になりやすくなります。
また、食事が獲れなくなるのに、いつも通りインスリンを打つと
低血糖を生じてしまいます。
シックデイでは、血糖コントロールが乱れやすくなります。
また、シックデイには2つの問題点が主にあげられます
問題点: 1脱水 2エネルギー不足
脱水時には水分を多く取ろうとスポーツ飲料水を飲みがちですが、
糖分が多く含まれているため、注意が必要です。
スープやお粥など、体温に近いもので水分を取りましょう!!
エネルギー不足には
食べやすい食べ物、炭水化物がおすすめです。
もっとも注意が必要なのは、シックデイには絶食状態になるのを防ぐことが
大切と言われています。
食事摂取量が少ないと、脂肪分解により、ケトンが発生し、
ケトアシドーシスになりやすくなります。
シックデイによる対応は医療機関にいくことですが、
医療機関に行くまでに、何をすべきなのか!!
何が起きても対応できるように、準備することも大切な治療と考えます。
今の時期だからこそ!インスリンの保管を見直そう!!
寒い日が続きますね!
日本には四季があり、冬になると、寒くて外に出ない、路面が凍結して家で過ごそう
など、外に出る機会が減ってしまい、活動量が低下してしまう季節でもありますね。
糖尿病の方はインスリンの保管にも寒さに注意が必要です。
インスリンはタンパク質で作られているため、
温度が高くても、寒くてもいけません。
温度が変化することで、品質が変化してしまうのです。
未開封のインスリンは2℃〜8℃に保管しないといけません。
凍結を防止するため、0℃以下にならない場所・・
冷蔵庫ですね!!
冷蔵庫での保管が大切になります。
開封済みのインスリンは常温での保存で大丈夫です。
だいたい4〜8週は使用できる期間と言われています。
持ち運びの工夫としては
1バックの中に入れておく
2内ポケットに入れておく(体温に接する)
3タオルに包んで外気温から守る
体調に注意がいきがちですが、
インスリンの保管も非常に重要なため、
注意していきましょう!!