シックデイと経口血糖降下薬 〜使用している内服薬を知るのもシックデイへの対応〜
前回、シックデイについて簡単に書きました。
ご自身で使用している薬の特徴を知っておくことも大切なシックデイ時の
対応になります。
⬇︎前回記事
血糖値を下げる経口薬も数種類存在します。
どんな際に血糖値が上がりやすいかをまとめるとわかりやすいと思います。
1インスリン抵抗性が増大
2インスリン分泌が低下
3インスリン作用不足での食後、空腹時の血糖値増大
これられに対して、
1インスリン抵抗性が増大には
・ビグアナイト薬
・チアゾリジン薬
2インスリン分泌が低下
・スルホニン尿素薬
・DPP4阻害薬
3インスリン作用不足での食後、空腹時の血糖値増大
・α–グルコシダーゼ薬
・SGLT2阻害薬
これらが基本的に占めております。
簡単にシックデイ時の注意をお伝えしようと思います。
①ビグアナイト薬
頻度はさほど多くないのですが、乳酸アシドーシスを引き起こしやすくなります。
シックデイ時に食欲低下を起こすことで、十分な食事が取れず、脱水にもなりやすいため、より乳酸アシドーシスを誘発しやすくなります。
高齢者になると、腎機能の低下も引き起こしやすくなるため、
慎重な投与が必要になります。
単独で飲まれていても、中止しなければいけないことがあります。
②チアゾリジン薬
末梢組織でインスリンの抵抗性を下げるように作用します。
副作用として、浮腫が懸念されています。心不全や心臓に問題がある方は、
慎重に投与が必要となります。また、骨の丈夫さにも影響を与えるため、女性は骨折にも注意が必要な内服薬になります。
③スルホニン尿素薬
膵臓からのインスリン分泌を促す経口薬になります。
作用は協力でシックデイ時の内服は低血糖を引き起こしやすくなります。
食事の内容によっては調整が必要になってきます。
④DPP4阻害薬
インクレチンというホルモンを増やすことで、インスリン分泌を促します。
血糖降下作用が強いですが、低血糖になりにくいことから、約7割の方が使用されている、一般的な内服薬になります。
しかし、上記のスルホニン尿素薬との併用での服薬は低血糖を助長させるため、
併用での内服は注意が必要です。
⑤α–スルコシダーゼ
小腸の粘膜に作用して糖質の消化、吸収に働きかけるため、食後の血糖値が上がりにくくなります。
しかし、腹部膨脹や便通に障害が起こりやすいです。シックデイ時も消化器の症状が現れやすくなります。
⑥SGLT2阻害薬
腎臓に働きかけることで、尿の排泄を促して、血糖値を下げる薬になります。
排尿作用があるため、心不全の方にも有効とされており、体重減少も期待されています。しかし、水分が失われていくため、脱水には注意が必要です。
簡単に経口薬の作用と副作用等を載せましたが、
シックデイ時には食事が食べれなくても
必ず、インスリンは少量でも注射することが必要です。
また、配合薬もあるため、今飲んでいてる薬はどのタイプかを
知っておくことも大事になりますね!!